『ダイヤのA』第8巻

『合宿最終日の練習試合。エースとして覚醒しつつあった丹波を魔の一球が襲う!! 丹波が戦線離脱を余儀なくされ、チームに走る動揺。緊急事態で1年の沢村の双肩にも重圧がかかり…。青道、エース不在の危機──。それでも夏は待ってくれない! この苦難をチーム一丸となって乗り切ることが出来るのか!? いよいよ、甲子園予選開幕!!』

単行本第8巻 表4あらすじより

第58話「緊急事態」~第66話「公式戦デビュー」


5巻で『亮介さん』呼びな倉持ですが6巻で『亮さん』呼びになっている。
私の中で伝説の『亮さんすいません!!』が読める『ダイヤのA』第8巻感想でございます。ちなみにこの巻、青道選手図鑑の亮さんが麗しいです。

 

第58話「緊急事態」
デッドボールによって顎にヒビが入ってしまった丹波さん。選手を招集した片岡監督はエースナンバーを丹波さんに渡し、戻ってくるその時までチーム一丸となって戦い抜く決意を表明します。

沢村『今の俺に…あの人の代わりが務まるのか──』
動揺する沢村にクリス先輩が「夏までに間に合わせる」と頼もしい一言。
ク、クリス先輩~!! 「分かっていると思うが もう時間がないぞ」と言われる御幸も心なしか嬉しそうです。

 

第59話「一年代表」
クリス先輩の指導の下に練習に励む降谷と沢村。

沢村『俺達はこの人を信じてついていくだけだ──』
尊くないですか!? 投手と捕手って尊い。なんというか、尊い丹波さんの件でチーム全体の士気が下がっていることを危惧した片岡監督は哲さんと純さんを呼び出します。

片岡監督『お前ら これからブルペンで投球練習をしておけ』

投球練習によって純さんの目に気迫が戻り、投手陣達の闘志が煽られます。この回、ダイヤでも上位に入るくらい好きな回だったりします。

丹波──…
今度は俺達が待っててやるからな…
エースの復帰を──…

結城世代、尊い!!対比として一年生の代表であることを沢村に伝える金丸の描写も良いですね。

 

第60話「信じる心」
この回の哲さんと純さんが本当にもう無理……。増子さん、努力の人ですよね。なんだってこう結城世代は尊いのかと。

亮さん『スイングに欲がない…こういう時はどんな球でも打てる気になるよな』
突き放しているようでゆっくりと春市に歩み寄ってあげている亮さん。この頃から引退を見据えていたのが台詞から窺えます。いつかは自分を追い抜いていくであろう『センスの塊』である弟の才能を脅威に感じながらも、常に誰よりも認め続けてきたとか……小湊兄弟の尊さは一言では語れないものがあります。

ブラバンやチアの練習風景に『私達も負けてらんないよね』と女子マネージャー達。
貴子先輩とマネジ達の絆も良かったなあ……。第二部ではこうした描写が薄くなってしまい少し寂しい私。きっと、これから描かれていくことだろうと信じてはいるのですが。

 

第61話「夢の舞台へ」
この中扉大好き過ぎるのですが。


片岡監督『みんなも分かっていると思うが 高校野球に次はない… 日々の努力も流してきた汗も涙も すべてはこの夏のために』

漠然と皆が高校野球に対して抱いているイメージが言語化された良い台詞ですね。
ダイヤは「これぞ高校野球!」と思わされる台詞やモノローグが多くて素晴らしいです。

王者の掛け声。
アニメで聞いていただきたい。というわけで三月にアニメ『ダイヤのA』のBlu-rayボックスが発売されるわけなのですが。お値段もお買い得なので興味のある方は是非!!
※私はDVDで円盤マラソン済です。

そして、甲子園予選開幕!!
260校から選ばれるのはたった2校──激闘と言われるのも頷けます。

 

第62話「初戦の相手」
いよいよ、名門復活を懸けた青道高校の夏が始まります。
初戦の相手は米門西高。

先発は降谷。うずうずしている降谷に「緊張してる?」と声を掛ける春市。

第63話「油断大敵」

倉持「亮さんすいません!!」
亮さん「あの変化球見れただけで十分だよ」
亮さんは理不尽なことで怒ったりツッコミを入れたりしない。ドラマCDで本当はやさしいと倉持に言われるソースはここ、ここなんですよ!!(机を叩く音)。

先取点が取れない青道。
御幸『降谷…俺はこの試合9回までやるつもりはねぇからよ お前も最初からとばしていいぜ! 全打者三振狙いでいくか?』
で、出た~! 御幸一也の川上は計算外発言。
降谷『センパイ 自分は最初からそのつもりですよ』

これぞ降谷と御幸バッテリーの魅力というシーンの一つですね。この才能と才能がひしめき合う緊張感のようなものはこの二人にしか出せない魅力だと思います。

 

第64話「その男 豪腕につき」
降谷の投げる姿って美しくて好きなんですよね。沢村が紅蓮なら降谷は蒼焔的な。

ルパン三世のテーマと共に哲さん登場。初ヒットを決めます。

第65話「アピールタイム」
中扉の御幸一也……カッコいい。

御幸『狙い~うち~♫』
三年生御幸のヒッティングマーチも「狙いうち」なのでしょうか。この曲は二年生御幸だから似合っていたような気がしないでもないんですよね。

沢村『これが三年生にとって最後の大会… 負けたらその時点で引退しなきゃならないんだ……』

クリス先輩との師弟の絆によって『三年生の引退』を誰よりも意識し始めているのが沢村というのが良いですね。

第66話「アピールタイム」

緊張から沢村はデッドボール!
倉持の蹴りから二遊間のツッコミが入ります。

沢村『一試合でも長く… この先輩達と戦いたい この人達と一緒に 俺も強くなりたいんだ』

沢村の咆哮!! 胸熱展開ですね。これでまだ8巻とか信じられません。

 

ダイヤを読み返すたびに「高校野球とはなんぞや?」という問いかけが私の心に投げ込まれます。プロ野球選手への通過点と考えるのが一般的なのかもしれません。けれど「ダイヤのA」を読んでいるとそれだけではないという気にさせられます。

毎回、軽い感じで短くまとめることを心掛けてはいます。本当はもっとねちねち語りたいところなのですが腐った感想的に読めてしまう形になってしまうので、さじ加減の難しさのようなものを感じていたり。多少の逸脱やお腐れはご容赦いただくと有り難いです。