『ダイヤのA』第7巻

『強豪校、大阪桐生との練習試合。相手のエースを三振に取り、試合の流れを一気に引き寄せた降谷と御幸。その後を引き継ぎ、ついに沢村の出番が来た!!
青道に入るきっかけとなった御幸に「自分を認めさせたい」という強い思いで投げる沢村。マウンドで確かな成長を見せるも、新たな課題に気付くことに…!!』

単行本第7巻 表4あらすじより
第49話「試験」~第57話「歯車」収録

『御幸に「自分を認めさせたい」という強い思いで投げる沢村』
ダイヤのA』はBL(ベースボールラブ)漫画です。

 

第49話「試験」

なんだその 自信に満ちた顔……
それが最初の印象だったっけな

※少女漫画のモノローグじゃありません。

6回目表沢村登板!!

ずっと弱いチームで戦ってきたからこそピンチに強い!
綺麗に1巻と繋がりました。

 

第52話「ムカツクけど…」

御幸『とにかく気持ちで投げろ! 俺達を信じてな!!』

ムカツクけど──… 俺は…
俺はこの人に受けてもらいたくてこの学校を選んだんだ
絶対認めさせてやる──

この沢村のモノローグが御幸と沢村のバッテリーの本当の意味での「はじまり」であり象徴であるような気がします。

 

第53話「反省会」

春市『とにかく羨ましかったんだ 試合に出ている二人がさ…俺なんて出番すらなかったから』
沢村『す…すまん 春っち!! そんなつもりじゃ… これやるから赦してくれ!!』
降谷『これもあげる』
春市『全部食べ残しじゃん!!』
これぞトリオなやりとりですが、地味に第二部への伏線になっていきます。兄だけを目標としてきた春市の転機とも言えるコマ。青道に入学したことで沢村と降谷という共に切磋琢磨しあえる「仲間」と出会えたことが春市の心境に大きな変化をもたらしていきます。


寝つけない降谷と沢村は自主練習へ。
そんな二人を見ながら御幸一也の捕手としての矜持と思想が倉持相手に語られます。

御幸『投手を輝かせるためならなんだってするさ どんな嘘でも嫌われることでもな』

み、御幸一也~!! 
『どんな嘘でも嫌われることでもな』が第二部の展開へと繋がっているように私は思えます。御幸の見据えている先は自分が引退した後──沢村と降谷が投手として独り立ち出来るようにすることに私には思えるのです。目前の甲子園という目標しか見えていない沢村と降谷からすれば御幸の見据えている『先』は途方もないものに思えるかもしれません。青道高校が優勝校となるには必要な過程くらいに考えていそうです。

 

第54話「因縁」
稲城実業高校初登場回。川上が炎上しかけています。川上……。

天才投手、成宮鳴さんと捕手の原田雅功さんご登場。
稲実黄金バッテリーと呼ばれるこのお二人。
この頃の成宮はベビーフェイスと呼ばれてもおかしくないお顔をしておりますね。
成宮『プクク…見てるよ~ すごい顔してオイラを見てるよ』

オイラ……!? 読み返してみるものだと思いました。初登場時はこんなに弾けたキャラクターだったのかと再確認させられました。私の中で第二部の「鳴様」な印象が強くなってしまっている影響もあるかと思うのですが。


第56話「評判以上」~第57話「歯車」
この中扉の丹波さんはアニメOPでも見られますよね。あのコンテは素晴らしかった……。
哲さんカッコいいです……! 
雅さんが川上や丹波さんを『いい投手』と評価している台詞があってすてきですね。

自分の弱点を克服しようとする丹波さんと御幸の意見の対立。丹波さんに片岡監督はチームを代表する投手としての意見か一選手としてのただのわがままであるかどうかを問います。

丹波さん「両方だと思います。自分が後半自滅し崩れることが多いのも…そのことを考え御幸がリードしてくれてることも分かっています けどこの弱点を自分の手で乗り越えない限り 自信を持ってマウンドに立つことは出来ません…… 本当のエースになるために それが自分の正直な意見です」

極度のあがり性で指導者ともまともに目が合わせられなかった丹波さんの初めて見せた覚悟に御幸を始めとする部員達が賛同します。

 

少しでも長く 野球をしていたい
一つでも多く 勝つ喜びを味わいたい

たった一つのことに打ち込んだ日々を無駄にはしたくない

すべてはあの舞台に立つために…

俺達は絶対に甲子園に行く──…

 

これぞ高校野球漫画という最高のモノローグ。

 

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しかし、この後丹波さんは──。