『ダイヤのA』第6巻

『一軍に昇格した沢村は、その責任と重圧を感じながら、地獄の夏合宿を迎える!壮絶な練習量についていくのがやっとの一年生トリオは先輩たちの必死の努力に、なみなみならぬ「覚悟」を痛感させられる。そして合宿の仕上げとして組まれた練習試合で降谷、沢村の登板が決まった…』

単行本第6巻 表4あらすじより
第41話「まずは足腰から…」~番外編「御幸一也」収録

 

第41話「まずは足腰から…」
デレた金丸信二くんツンに戻ってます。
哲さんと純さんが一緒にご飯食べているんですが(たいせつ)。

白州『なんつー返球だよ』
キャラが……違うだと? 貴重な高校生らしい言葉遣いの白州です。
初期川上もですが微妙にキャラが違うんですよね。青道全体の言葉遣いがやや荒い。
その結果、漫画がハネていた気もするので、この時期の台詞回し私は嫌いじゃないんですよね。男子高校生らしい瑞々しさもあるかしらとか。

師弟の微笑ましいやり取りにホッとさせられます。
クリス先輩は慈愛の人。

『OK! ナイスボール!!』と言う御幸に対して『なんかお前にほめられると気持ち悪りィ 絶対ウラがあんだろ』という川上。川上は間違ってないない。

ヒリヒリした丹波さんと御幸のやりとりもですが投手に心許されてない御幸一也。雅さんにも嫌われている御幸一也……。

御幸『ま…そうゆう投手をリード出来るから 捕手ってポジションは楽しいんだけど?』
この人を喰ったような所がですね……包容力でしょうか(いちむらお兄さん)

お風呂上がりの御幸に受けて貰いたがる沢村・降谷。

御幸『はっはっはっはっ おもしれェ! お前ら最高!!』

最高なのは御幸一也……! この後、御幸は沢村達を自分の部屋へと連れて行きます。そこに待ち構えていたのは哲さん達でした。

御幸『お前らの後ろを守ってくれてんのがどんな人達か知っとくのも悪くねーだろ?』

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第43話「プレーで引っ張れ!!」
結城哲也さんのキャプテンとしての姿が印象的なこの回。
ゆ、結城世代尊い……。
これが後の伏線になっていくので哲さんの勇姿を目に刻みつけておいてください。

私は比較論的なものが苦手で。
この先、結城世代と御幸世代のどちらが優れているか的な視点で語るつもりはありません。簡単にどちらが上だとか下だとか言えるようなことでもないからです。出した結果だけなら御幸世代が上であるというのは揺るぎない事実ではありますが。例えば、亮さんが怪我をしなかったら。組み合わせに恵まれていたら──どうだったのかなんて誰にもわかりません。運が味方をしたというつもりもありません。寧ろ、稲実戦の結果があったからこそ御幸達は甲子園へと行くことが出来たとすら思います。すべては繋がっていて、そこに辿り着く為に必要な痛みであったり、喪失であったり、敗北であったりするのだとも。

 

第44話「試練」~第48話「魔球」
合宿で疲労したなか大阪桐生との試合。御幸は降谷に対して一つの策に出ます。

コントロールの安定しない降谷は4回で11失点。
降谷は悔しさを抑えて御幸にアドバイスを求めました。

御幸『失点のほとんどはお前の四球から取られてんだぞ それでも哲さんや純さんが何も言ってこないのはなんでか分かるか? それだけお前は…あの人達に信頼されてんだよ!』

 

降谷『信頼──…』

 

降谷が求めていたのは自分の球を受けられる捕手でもなければ居場所ではありませんでした。

降谷が『ここは…もう あの場所とは違う…』

純さんの『一人で野球やってんじゃねーぞ! このバカタレ!』胸熱シーンです。

 

第48話「魔球」
沢村、一軍での初登板。
御幸『けどあの時以来か お前とバッテリー組むのは…』
第6巻にして、やっとです。

天才である御幸と沢村には大きな『差』があり『対等』ではない。そんなことが垣間見えるシーン。ダイヤって「コマ割り」「構図」で語る少年漫画では珍しいタイプの作風なんですね。少女漫画の影響を感じさせられることもしばしば。選ぶトーンも少女漫画の影響を感じる時があったり……。コマ割りと構図に注目して読むと台詞だけではない情報が得られますので再読する際は注目してみて下さい。純さんの少女漫画好き設定も先生の漫画研究の結果なのかと思わされたりもします。

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番外編「御幸一也」
御幸と亮さんって地味に境遇に重なるものがあるんですよね。その上で怪我を隠して試合に出場したりなんかして、同じB型だったり、人を翻弄しつつ一人になることを好んだりと……身長が伸びて才能開花した御幸と努力型の亮さんとでは辿った運命が違ってしまうのも仕方がないのですが。(そもそもポジションが違う)。
御幸が怪我のことを「言えなかった」のだと理解出来たのが亮さんなのは説得力があったと番外編を読み返して思いました。

 

7巻は御幸・降谷・沢村の三人が表紙を飾っているのですが。
ダイヤのA』とはこの三人の物語であるというのが明確に示された絵のように思えます。
これが最終巻の中扉やアニメのエンドカードに繋がっていくかと思うと感慨深いものがありますね。