『ダイヤのA』第1巻

『中学全国大会を目標としていた沢村栄純。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間のともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに! 名キャッチャーの呼び声高い御幸との出会いが沢村の高校野球への情熱を目覚めさせる!!』

単行本第1巻 表4あらすじより

ええと、詳細はwikiを読んで下さい。

 

『人生山あり谷間あり!?』

第1話「運命の一球」

読んでいただければわかると思うのですが、主人公である沢村栄純の運命が二転三転する展開には驚かされるばかりでした。今となっては珍しくない設定になりつつありますが、所謂名門校に主人公を入学させるという展開は斬新なものにすら思えました。弱小野球部に一人の天才が入部するとか、別なスポーツをやっていた主人公がひょんなことから野球部にみたいな展開がスポーツ漫画における王道だったからです。名門校=ライバル校的なイメージもあります。

主人公である沢村の台詞『こーゆー何でもそろったエリート軍団には死んでも負けたくねぇ』この時点で青道高校野球部は沢村にとって『ライバル』揃いの場所であるということが提示されます。

青道高校野球部 副部長の高島礼(通称礼ちゃん)によって語られる「野球留学」への批判と集まった選手達の抱く覚悟への尊敬。
礼ちゃんの言葉にハッとする沢村。
古き良き野球漫画の価値観対新しい野球漫画の価値観という構造を予感させる良いシーンです。

高校通算42本塁打を誇る東 清国さん練習に付き合ってくれている選手に罵倒を浴びせながらご登場。チャームポイントはおなか。
青道高校野球部において沢村の運命の出会いは──東先輩の方が先だったりするんですね。
読み返すたびに思うのですが、東さん世代と結城世代の関係がどうだったのか私気になります。番外編でも良いので結城世代が二年生だった頃を描いてほしいものです。

沢村『ここじゃあ力のある奴が何を言っても許されんのかよ… たった一人じゃ野球はできねぇんだ… 名門と呼ばれるこの学校じゃあ そんな大切なことも忘れてんのかよ!』

口論の末、沢村と東パイセンは野球で対決することに。

そこに現れたのが一年生の御幸一也。
先日行われた人気投票で1位になった大人気キャラ。

御幸『礼ちゃん…そいつの球 俺が受けてもいい?』
先生自ら「『ダイヤのA』は沢村と御幸の出会いの物語」と仰られているだけあって気合の入った作画です。このコマで何人もの女性達の人生を狂わせたのでしょうか。
しかし、このコマは御幸一也の本領ではありません。

 

ここまでが第一話なのですが濃密な内容で息もつかせぬ展開の数々。しかも、主人公がまともに球を投げていないのです。
私が「『ダイヤのA』は野球が知らない人が読んでも面白いと」人にお薦めしまくる理由の一つは、試合展開ではなくキャラクターやドラマで野球を語るところにあります。
尚且つ王道であり、作画レベルも高い。十年以上前の漫画とはとても思えません。
球漫画だからと『ダイヤのA』を読むことを躊躇されている方には、とりあえずは第1話「運命の一球」を読んで下さいと声を大にして言いたいですね。

長くなるので第2話「相棒」からはポイントのみの感想にとどめます。毎話この調子で語っていたら文字数がいくらあっても足りません。本当は「四の五の言わずに読んで!!!!」と叫びたい勢いなのですが、そうなるとブログ文化を全否定するも一緒なのでやめておきます。ただ、どんな漫画感想にも言えることですが「とりあえず読め」に勝るものはないなあ、と思います。

 

第2話「相棒」~第5話「才能で語れ」

『な~~んも考えずお前のすべてをぶつけてこい』

本誌では第二部が開始され御幸一也は三年生になったわけですが。
一年生~二年生の頃の自分が黒歴史になっていないか心配になる言動の数々。体育会系の一年生とは思えない人を食ったような態度。これが御幸一也の魅力の一つでもあり、カッコよさでもあったなあ、と思います。先日行われた人気投票で1位もとるもんです。

 

沢村、投げる!!

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球を受ける御幸一也……カッコいい!!

御幸『ナイスボール!』

御幸一也の魅力に完堕ちです。御幸一也カッコいい。大切なことなので二度言いました。

 

沢村『──この瞬間 俺は新たな世界の扉を開けてしまったんだと思う──』

 

私も新たな世界の扉を開かされてしまいました。

 

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青道高校に進学を決めることによって、仲間が何よりも大切な沢村に仲間を捨てさせる寺嶋先生。

この時、私は気が付くべきでした。

ダイヤのA』は痛みと喪失を伴う物語であることを──。

 

第四話「いい度胸だな」

推しである倉持洋一が登場します。第二話で御幸に堕ちながら速攻で倉持が推しになる私も私ですね。読み返すと何で倉持が好きになったのだろうかと思うような回なのですが、ガンダムで例えるなら(何でもガンダムで例えるのがガノタカイ・シデン的なポジションのキャラであるのがわかったからです。群像劇では必ずと言っていいほどカイ・シデン的な役割を担うキャラを好きになるので……。

 

こんな感じで各巻を振り返っていこうかと思います。

 

 いらすとや

はじめに

ダイヤのA』とは野球を知っていても、野球を知らなくても楽しめる王道少年漫画である。


色々思うところもあって自分と『ダイヤのA』に向き合ってみたい。向き合った結果を私なりに言語化していこうと思い至りました。

 

横道に逸れたり、雑記的なことを含んだりすると思いますが、基本は『ダイヤのA』という作品に対しての感想的なことを書き綴っていこうかと思います。

ダイヤのA』については原作からのファンでいつの間にやら10年経ってしまいました。アニメの放送開始が13年の10月で終わったのが16年の3月。アニメの影響で完全に腐ったというか、腐らせられた腐女子です。作品としては一読者として楽しむように心掛けていますが、腐った視点であれこれ考えてしまうのは腐女子の生きる性。腐った人間が思うこと書くことなので腐った感想に読める部分もあるかもやしれません。
その辺についてはご了承下さい。

 

普段は社畜で濃いオタクでも腐女子でもないので自称するのに少し申し訳無さがあるのですが。腐女子だからこそ気付ける視点というのもあるのではないかと思いつつ感想を認める毎日です。

単行本一冊につき一記事で書ける時に書くみたいなペースでありますがお付き合いしていただけると幸甚に存じます。

 

市村