『ダイヤのA』第7巻

『強豪校、大阪桐生との練習試合。相手のエースを三振に取り、試合の流れを一気に引き寄せた降谷と御幸。その後を引き継ぎ、ついに沢村の出番が来た!!
青道に入るきっかけとなった御幸に「自分を認めさせたい」という強い思いで投げる沢村。マウンドで確かな成長を見せるも、新たな課題に気付くことに…!!』

単行本第7巻 表4あらすじより
第49話「試験」~第57話「歯車」収録

『御幸に「自分を認めさせたい」という強い思いで投げる沢村』
ダイヤのA』はBL(ベースボールラブ)漫画です。

 

第49話「試験」

なんだその 自信に満ちた顔……
それが最初の印象だったっけな

※少女漫画のモノローグじゃありません。

6回目表沢村登板!!

ずっと弱いチームで戦ってきたからこそピンチに強い!
綺麗に1巻と繋がりました。

 

第52話「ムカツクけど…」

御幸『とにかく気持ちで投げろ! 俺達を信じてな!!』

ムカツクけど──… 俺は…
俺はこの人に受けてもらいたくてこの学校を選んだんだ
絶対認めさせてやる──

この沢村のモノローグが御幸と沢村のバッテリーの本当の意味での「はじまり」であり象徴であるような気がします。

 

第53話「反省会」

春市『とにかく羨ましかったんだ 試合に出ている二人がさ…俺なんて出番すらなかったから』
沢村『す…すまん 春っち!! そんなつもりじゃ… これやるから赦してくれ!!』
降谷『これもあげる』
春市『全部食べ残しじゃん!!』
これぞトリオなやりとりですが、地味に第二部への伏線になっていきます。兄だけを目標としてきた春市の転機とも言えるコマ。青道に入学したことで沢村と降谷という共に切磋琢磨しあえる「仲間」と出会えたことが春市の心境に大きな変化をもたらしていきます。


寝つけない降谷と沢村は自主練習へ。
そんな二人を見ながら御幸一也の捕手としての矜持と思想が倉持相手に語られます。

御幸『投手を輝かせるためならなんだってするさ どんな嘘でも嫌われることでもな』

み、御幸一也~!! 
『どんな嘘でも嫌われることでもな』が第二部の展開へと繋がっているように私は思えます。御幸の見据えている先は自分が引退した後──沢村と降谷が投手として独り立ち出来るようにすることに私には思えるのです。目前の甲子園という目標しか見えていない沢村と降谷からすれば御幸の見据えている『先』は途方もないものに思えるかもしれません。青道高校が優勝校となるには必要な過程くらいに考えていそうです。

 

第54話「因縁」
稲城実業高校初登場回。川上が炎上しかけています。川上……。

天才投手、成宮鳴さんと捕手の原田雅功さんご登場。
稲実黄金バッテリーと呼ばれるこのお二人。
この頃の成宮はベビーフェイスと呼ばれてもおかしくないお顔をしておりますね。
成宮『プクク…見てるよ~ すごい顔してオイラを見てるよ』

オイラ……!? 読み返してみるものだと思いました。初登場時はこんなに弾けたキャラクターだったのかと再確認させられました。私の中で第二部の「鳴様」な印象が強くなってしまっている影響もあるかと思うのですが。


第56話「評判以上」~第57話「歯車」
この中扉の丹波さんはアニメOPでも見られますよね。あのコンテは素晴らしかった……。
哲さんカッコいいです……! 
雅さんが川上や丹波さんを『いい投手』と評価している台詞があってすてきですね。

自分の弱点を克服しようとする丹波さんと御幸の意見の対立。丹波さんに片岡監督はチームを代表する投手としての意見か一選手としてのただのわがままであるかどうかを問います。

丹波さん「両方だと思います。自分が後半自滅し崩れることが多いのも…そのことを考え御幸がリードしてくれてることも分かっています けどこの弱点を自分の手で乗り越えない限り 自信を持ってマウンドに立つことは出来ません…… 本当のエースになるために それが自分の正直な意見です」

極度のあがり性で指導者ともまともに目が合わせられなかった丹波さんの初めて見せた覚悟に御幸を始めとする部員達が賛同します。

 

少しでも長く 野球をしていたい
一つでも多く 勝つ喜びを味わいたい

たった一つのことに打ち込んだ日々を無駄にはしたくない

すべてはあの舞台に立つために…

俺達は絶対に甲子園に行く──…

 

これぞ高校野球漫画という最高のモノローグ。

 

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しかし、この後丹波さんは──。

『ダイヤのA』第6巻

『一軍に昇格した沢村は、その責任と重圧を感じながら、地獄の夏合宿を迎える!壮絶な練習量についていくのがやっとの一年生トリオは先輩たちの必死の努力に、なみなみならぬ「覚悟」を痛感させられる。そして合宿の仕上げとして組まれた練習試合で降谷、沢村の登板が決まった…』

単行本第6巻 表4あらすじより
第41話「まずは足腰から…」~番外編「御幸一也」収録

 

第41話「まずは足腰から…」
デレた金丸信二くんツンに戻ってます。
哲さんと純さんが一緒にご飯食べているんですが(たいせつ)。

白州『なんつー返球だよ』
キャラが……違うだと? 貴重な高校生らしい言葉遣いの白州です。
初期川上もですが微妙にキャラが違うんですよね。青道全体の言葉遣いがやや荒い。
その結果、漫画がハネていた気もするので、この時期の台詞回し私は嫌いじゃないんですよね。男子高校生らしい瑞々しさもあるかしらとか。

師弟の微笑ましいやり取りにホッとさせられます。
クリス先輩は慈愛の人。

『OK! ナイスボール!!』と言う御幸に対して『なんかお前にほめられると気持ち悪りィ 絶対ウラがあんだろ』という川上。川上は間違ってないない。

ヒリヒリした丹波さんと御幸のやりとりもですが投手に心許されてない御幸一也。雅さんにも嫌われている御幸一也……。

御幸『ま…そうゆう投手をリード出来るから 捕手ってポジションは楽しいんだけど?』
この人を喰ったような所がですね……包容力でしょうか(いちむらお兄さん)

お風呂上がりの御幸に受けて貰いたがる沢村・降谷。

御幸『はっはっはっはっ おもしれェ! お前ら最高!!』

最高なのは御幸一也……! この後、御幸は沢村達を自分の部屋へと連れて行きます。そこに待ち構えていたのは哲さん達でした。

御幸『お前らの後ろを守ってくれてんのがどんな人達か知っとくのも悪くねーだろ?』

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第43話「プレーで引っ張れ!!」
結城哲也さんのキャプテンとしての姿が印象的なこの回。
ゆ、結城世代尊い……。
これが後の伏線になっていくので哲さんの勇姿を目に刻みつけておいてください。

私は比較論的なものが苦手で。
この先、結城世代と御幸世代のどちらが優れているか的な視点で語るつもりはありません。簡単にどちらが上だとか下だとか言えるようなことでもないからです。出した結果だけなら御幸世代が上であるというのは揺るぎない事実ではありますが。例えば、亮さんが怪我をしなかったら。組み合わせに恵まれていたら──どうだったのかなんて誰にもわかりません。運が味方をしたというつもりもありません。寧ろ、稲実戦の結果があったからこそ御幸達は甲子園へと行くことが出来たとすら思います。すべては繋がっていて、そこに辿り着く為に必要な痛みであったり、喪失であったり、敗北であったりするのだとも。

 

第44話「試練」~第48話「魔球」
合宿で疲労したなか大阪桐生との試合。御幸は降谷に対して一つの策に出ます。

コントロールの安定しない降谷は4回で11失点。
降谷は悔しさを抑えて御幸にアドバイスを求めました。

御幸『失点のほとんどはお前の四球から取られてんだぞ それでも哲さんや純さんが何も言ってこないのはなんでか分かるか? それだけお前は…あの人達に信頼されてんだよ!』

 

降谷『信頼──…』

 

降谷が求めていたのは自分の球を受けられる捕手でもなければ居場所ではありませんでした。

降谷が『ここは…もう あの場所とは違う…』

純さんの『一人で野球やってんじゃねーぞ! このバカタレ!』胸熱シーンです。

 

第48話「魔球」
沢村、一軍での初登板。
御幸『けどあの時以来か お前とバッテリー組むのは…』
第6巻にして、やっとです。

天才である御幸と沢村には大きな『差』があり『対等』ではない。そんなことが垣間見えるシーン。ダイヤって「コマ割り」「構図」で語る少年漫画では珍しいタイプの作風なんですね。少女漫画の影響を感じさせられることもしばしば。選ぶトーンも少女漫画の影響を感じる時があったり……。コマ割りと構図に注目して読むと台詞だけではない情報が得られますので再読する際は注目してみて下さい。純さんの少女漫画好き設定も先生の漫画研究の結果なのかと思わされたりもします。

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番外編「御幸一也」
御幸と亮さんって地味に境遇に重なるものがあるんですよね。その上で怪我を隠して試合に出場したりなんかして、同じB型だったり、人を翻弄しつつ一人になることを好んだりと……身長が伸びて才能開花した御幸と努力型の亮さんとでは辿った運命が違ってしまうのも仕方がないのですが。(そもそもポジションが違う)。
御幸が怪我のことを「言えなかった」のだと理解出来たのが亮さんなのは説得力があったと番外編を読み返して思いました。

 

7巻は御幸・降谷・沢村の三人が表紙を飾っているのですが。
ダイヤのA』とはこの三人の物語であるというのが明確に示された絵のように思えます。
これが最終巻の中扉やアニメのエンドカードに繋がっていくかと思うと感慨深いものがありますね。

 

『ダイヤのA』第5巻

『残り2つの一軍昇格枠をかけた二軍最後の練習試合、対黒士館戦!!
クリスの出場で、沢村は投手としてさらなる進化を遂げ、試合の流れも青道ペースに!!
だが、クリスを知る敵ベンチの男・財前の策で、沢村とクリスのバッテリーは窮地に追い込まれ…!?』

単行本第5巻 表4あらすじより

第32話「打者の力量」~第40話「合宿スタート」収録

 

色々な人に良い絵だと言われたと言われる5巻表紙の師弟。

 

御幸『ははっ はっはっはっ やっぱアンタはこーでなきゃな!! クリス先輩』
4巻の御幸の台詞なのですが江戸っ子(?)属性が強いですよね。
それが47巻では『俺はこの人に一生勝てない気がする──』になるのですから、
人間の成長とは怖ろしい。そんなわけで第5巻の感想です。

 

第32話「打者の力量」
なぜかバントだけは上手い沢村。
『期待に応えなきゃ男じゃないよね!』と俺っち。この曲者感、個人的にとても好きでした。

アニマル『選手の気持ちは選手にしかわからない 慣れない文化慣れない環境 俺も現役時代はただひたすらバットを振った 日本というこの異国で自分の存在を証明するために…… お前が後悔しなければそれでいい──…』

アニマルのこのモノローグからクリス先輩の表情(目に光)涙腺崩壊でした。
クリス先輩は自分の「この先」を見据えながらも、それでも最後の最後まで「選手」で在り続けようとしているわけです。物語を読み慣れている人ならばこの先の展開が読めてしまう。『ダイヤのA』とは結果がすべてのスポーツ漫画において、大切なのは「結果」ではなく「結果に辿り着くまでの過程(努力)である」と言いきる為の物語であるという覚悟を見せつけた瞬間でもありました。
この時、私は気付くべきでした。
「結果に辿り着くまでの過程(努力)である」という理想を描くということは、過酷と痛みが伴うものだということを──。

稲実戦の勝敗を決めずに描き始めた先生がある結論に思い至ったの理由が今ならとてもよくわかります。わかりますとも。

黒士館ベンチに寝そべるクリス先輩と同じシニア出身だった財前登場。ベンチでの態度等、今から考えられないのですが……漫画的表現優先の演出。私は好きでした。何でもリアルに寄せれば良いというものでもないと思うんですよね。

財前のアドバイスによってクリス先輩狙いの作戦へと出る黒士館。
肩が本調子ではないクリス先輩は悪送球──!

沢村『俺はまだクリス先輩に何も返していない──!!』

師弟、アツいですね!

 

シニア時代のクリス先輩と財前の回想。
甲子園で相見えることを夢見た二人は不運にも怪我を負い、再会したのは青道高校二軍の練習試合──運命とは皮肉なものだと思わされるシーンです。

財前『俺の期待を裏切るんじゃねぇぞクリス……』
クリス先輩『ああ お前こそな 財前』

これが後の大きな伏線となります。

財前『ったくダセェよな 甲子園どころか試合に出るのもやっとだとはよ』
クリス先輩『ああ お互いにな』

 

これが俺に与えられた最後のイニング
わずか3回のピッチングだったけど 俺はクリス先輩に
少しでも成長した姿を見せることができたんだろうか……

さ、沢村栄純──!!

試合の結果は作品の方でご覧下さい。

 

第37話「強くなれ」
片岡監督によって選手たちが集められ一軍昇格メンバーは発表されます。

選ばれなかった三年生たちだけを残して解散に。この後の片岡監督の言葉と三年生達の『俺達の夏はここで終わったんだ──…』に胸が締め付けられる思いになります。その場に泣き崩れる三年生達の中でクリス先輩だけは微笑んでいました。野球に殉じた彼の横顔は神々しいものすら感じます。

『すごいのはあの人なんだ』と監督へ掛け合おうとする沢村。
それを止める哲さん達の覚悟。
哲さん『俺達に出来ることはただ一つ…選ばれなかったあいつらの分まで強くなることだ』

御幸『これでもう とことん突き進むしかなくなったな 俺も…お前も…』
沢村栄純と御幸一也のバッテリーが本格始動する瞬間とも言えるシーン。天才である御幸が沢村栄純を「認めた」記念すべき瞬間でもあります。クリス先輩からの沢村を「託された」ことを御幸は肌で感じとっていたのかもしれません。

『強くなれ──』

よくダイヤには「強さ」という言葉が出てきます。その「強さ」とは人間的な強さであるということが様々なエピソードで描かれます。試合に勝利する。三振を取る。ホームランを打つ──こと即ち「強さ」ではないことが執拗なまでに描かれます。アニマルの言う『今も根強く残る日本の精神論 あんな真夏に投手を連投させる甲子園などアメリカじゃ考えなれない大会だゾ』は正論とも言えます。プロの選手を育成させることのみが高校野球における目的とするならば、ですが。

これは野球に限らないことですが「プロになる」というのは夢における一つの道であって、プロ=成功者」的に考えてしまう人というのは、なんとなくそこで止まってしまう気がするのですね。どんな道を選ぼうとも「そのもの」を愛し抜いていくことが私には大切なことのように思えます。

 

第40話「合宿スタート」
一年生トリオの表紙が微笑ましい。部活漫画のおける合宿回が好きな人、挙手。
結城世代の一挙一動に尊みを感じれる回でもあります。
倉持『ヒャハハハ 亮介さんも嫌だろーな 兄弟でしかも同じポジションなんて……』
様々な二遊間解釈があると思うのですが。
じつは私は稲実戦前まで倉持と亮さんの間には一定の距離があったと考えていたりするんですね。だからこの『亮介さん』呼びも当然なものに思えていたりもして。二遊間のコンビとしての繋がりであり、それ以上でもそれ以下でもなかったというか。二人共、仕事人気質な面もあるので馴れ合い的なことは好まなかったのかなあ、と。ただ、二人で練習を重ねて苦楽を共にした時間だけがある──それが信頼関係に繋がっているのかしらとか。あの亮さん相手に倉持が他部員たちに接する時のような悪ノリを求めるとも思えないんですよね。だから声優さんの解釈(亮さんにだけはやさしい)はなるほどなあ、と。

 

※二遊間のことになると止まらない。ここはそういう場所です。

 

正直、47巻まで走りきれるかわからないのですが、三年くらいかけて横道に逸れつつやっていこうかと思います。

今でも渡辺くんがバットを振り続けるような気持ちで。

『ダイヤのA』第4巻

『多数の部員を擁する青道高校野球部でなんとか二軍昇格を果たした沢村。
さらに上を目指し、三年生キャッチャー・クリスとともに夏までのレベルアップに挑む!しかし、自分のピッチングの”持ち味”が何なのか分からないまま一軍への生き残りレースは激化していく…!』

単行本第4巻 表4あらすじより

第23話「セールスポイント」~第31話「最後の公式戦」収録

 

4~5巻まとめて感想を書いた方が良い展開(青道対黒士館)ということでまとめて二冊読み込んでいたのですが……野球知識や試合展開の面白さは他の方々が書いて下さっているはずなので私はキャラ中心に感想を述べていきたいと思います。

 

第23話「セールスポイント」
中扉が結城世代。この中扉好きなんです、とっても!! グッズ化いつでもお待ちしております(財布を開きながら)。
師弟(クリス先輩・沢村)のやりとりが微笑ましい。
自分の『持ち味』について大きな勘違いをし迷走する沢村は完全に自分を見失います。そんな沢村に対して礼ちゃんはマウンドを降りることを宣告。
ベンチで落ち込む沢村に対してクリス先輩は励ましともとれる助言を与えます。

師弟……尊い

マウンドを降ろされてしまったのは沢村だけではありませんでした。
指先を痛めた降谷は二週間投げ込み禁止を片岡監督から命じられてしまいます。

夜のグラウンドで自主練に励む沢村に降谷が声をかけます。

降谷『信頼出来る守備に信頼出来る捕手…あのマウンドに立てる投手は本当に幸せだと思う』
私はこの台詞がとても好きで(ろくろを回す)。

丹波さんとクリス先輩の姿を羨ましく感じる降谷が良いですね。この辺りから所謂「降谷暁」の言動に落ち着いてきます。

クリス先輩については三年生達から周囲へのフォローがあってもおかしくないと思うのですが、哲さん達はクリス先輩が自分達の元へと戻ってくることを信じて敢えて何も語らずにいたのかと丹波さんとクリス先輩の会話から読みとれます。
どんなこともプレー(行動)で示すしかない。
そんな愚直さを感じさせるから結城世代は儚くも尊いのかもしれません。

黒士館戦、野球を知らなくても面白く読める描き方になっていると私は思います。
クリス先輩と沢村の師弟バッテリーが活躍する姿で十分なカタルシスを得られるのではないかと。
クリス先輩の目に輝きが戻る瞬間は涙なくしては読めません。

第28話の中扉は二遊間なんですよ。
地味に二遊間の民として美味しい巻でもあったりします。この頃の鉄壁感ある二人が可愛い。まだ「亮介さん」呼びだった頃でしょうか。呼び方については色々な解釈が出来ると思うのですが……哲さん達は早い段階で「哲さん」「純さん」呼びで、亮さんについてはギリギリまで「亮介さん」で通していたような気がするんですよね。その名残で「亮介さん」呼びが出てしまっている時期なのかしらとか。

沢村の「軌道が読めない球」を受けきれない小野。そしてクリス先輩に片岡監督は最後のチャンスを──!
片岡監督『アイツはマウンドでお前を待っているぞ!』

沢村『あの人が引退する前に少しでも成長した姿を見せたいんです!!』

一回目の涙腺崩壊きました。躊躇するクリス先輩を後押しする三年生達。

ここで話が前後してしまうのですがクリス先輩の父親であるアニマルの口によって甲子園に対して批判的な意見が述べられます。

アニマル『今も根強く残る日本の精神論 あんな真夏に投手を連投させる甲子園などアメリカじゃ考えなれない大会だゾ 俺が無理矢理チームから離れさせたんダ それでも部に残るオマエを快く思っていない連中も多いだろう このまま二軍の選手として引退しオマエに何が残ると言うんダ…』

『二年と一年がお前のことどう思っているか知れねーけどよ 俺達三年はみんなお前の努力を知ってんだ 俺達がスランプの時にアドバイスしてくれたじゃねーか お前だってこのチームの一員だろ! 胸張って出てくればいーんだよ!!』

結城世代(三年生)尊い。部活漫画で三年生にハマると苦しみと悲しみが待っているけれども……引退まで残り僅かな時間を精一杯生きようとする三年生尊い

『キャッチャー小野に代わり──滝川』

クリス先輩……!! ※語彙力
交代する小野に言葉をかける……みたいなところ本当に好き……大好き。クリス先輩はいつだって野球にチームに殉じてきたんですよね。

 

第29話「奇策」
沢村の守備を活かす為、クリス先輩の提案によって内野手全員が前に(超前進守備)。


第30話「三人の捕手」
クリス先輩が試合に出ていることを知った結城世代達は自主練習場を後に。
誰よりも先に飛び出していったのは御幸であると降谷。

『二軍の試合に興味なし』と試合を観に行かずに練習を続ける宮内に対して『あはっ これ以上ライバル増えてほしくないもんね♡』と笑う亮さん。

亮さん『後ろから急激に追いかけてくる影 あれは本当に怖いから…』

小湊兄弟の関係の複雑さが出ている良い台詞です。いつかは自分が追い抜かれることを覚悟しながら、それでも「目標」であろうと背中を見せ続けようと、人の何倍も努力を重ねる小湊亮介さん……尊い。球児でプロ野球に興味を持ち続けているくらいの「野球」好きなので自分が選手としてどうなのかも客観視出来てしまっているんですよね。所謂「壁」が見え続けていてもバットを振り続けるその心境たるや……。※語彙力

 

第31話「最後の公式戦」
中扉が結城世代。アニマルに対して自分が出ることのない試合を観に来ることを懇願するクリス先輩の気持ちはどんなものだったのでしょうか。
アニマルが試合を観に来たことに気付いた後の一連の流れは是非読んで下さい。

 

クリス先輩……!! ※語彙力

 

──と、ここまでが4巻なのですが。とにかく内容が濃い。まだ4巻とは思えない情報量と感動であります。しつこいですが「野球漫画」だからといって読まないのは本当に勿体無い作品だと私は思います。まずはキャラクターの成長や心の動きを追うだけでも十分に楽しめますので今からでも遅くない。寧ろ、これからという『ダイヤのA』を宜しくお願いします!!

『ダイヤのA』第3巻

『『エース不在』の青道高校で、一年生からも投手を発掘するために組まれた上級生との試合。圧倒的な上級生の力になす術もない一年生チームの雰囲気を変えたのは沢村だった! 勝利への執念を見た監督は沢村をマウンドへ上がるように指示。待ちに待った登板に燃える沢村だったが、同室の先輩・増子との真剣勝負にレギュラーどりの厳しさを思い知る…!?』

単行本第3巻 表4あらすじより

 

何故『思い知る…!?』と煽ってくるのでしょうか。

そんな疑問を抱きつつ第3巻の感想です。

 

第14話「真のエース」~第22話「捕手の役目」収録

 

第14話「真のエース」
金丸デレました。ここから「ダイヤらしさ」が本格的に始まったと言っても過言ではない回であります。青道は悪い場所ではない。野球を志すものにとっては幸福とも言える場所であることが垣間見えてくるからです。

上級生達を一喝する伊佐敷純さん、登場。
『恥ずかしい試合しているな~~情けない』笑顔で毒舌な小湊亮介さん。代わりに出ると騒ぎ立てる純さんに『黙って見てろ…純』と言うのは我らがキャプテン結城哲也さん。ここに丹波さんや増子さんが加わって……所謂、結城世代(三年生)です。

降谷『この人達…オフなのに体動かしていたのか?』
これが後に続いていくフラグなのでよく覚えておいて下さい。

地方の中学大会で沢村を見かけた時のことが礼ちゃんの口から語られます。

礼ちゃん『…私はその背中に真のエース』を見た気がしたんです』

マウンドに立った沢村の野球帽には地元の仲間達からの言葉が。
沢村『いくぜ みんな!!』
ベタですがとても良いシーンです。少年漫画はこうでなくては……そんな気分にさせられます。

 

第15話「逆襲」
まさに漫画としても「逆襲」と言える回でした。物語の序盤から空気は一転し、漫画世界全体が盛り上がるといった感じです。和気藹々とする一年生達を横目にする降谷は、中学時代、自分の球を受けれる捕手がいなかったことを思い出します。

レギュラー昇格をかけた増子透さん(三年生)登場。

 

第16話「ムービング対パワー」
巨体の増子さんに対しても沢村は真っ向勝負を挑みます。ど真ん中ストレートであるはずの球をキャッチャーが弾いてしまう──ここで様々なエピソードで語られてきた沢村の球の正体が見え始めてきます。

増子さんとの勝負に沢村は力負けするものの目を輝かせました。

 

沢村『もっと投げたい もっともっと!!』

 

第17話「夏まで二ヶ月」
点は取られたものの最後まで投げぬいた沢村。五号室はいつもの日常へと戻ります。

自動販売機前で鉢合わせする小湊兄弟。当初は兄弟という設定で考えられていなかったとはとても思えません。

自主練習場に御幸を呼び出す降谷。

御幸『もしかして沢村のピッチングに何か感じたのかな? 怪物くん♡』

語尾に『♡』入りましたぁ!!

冗談はさておき、様々なエピソードで積み重ねてきた沢村の投げる球の秘密が語られる重要な回でもあります。前々回で「ムービングってなんぞ?」と思った方も御安心下さい。ダイヤは作中で説明してくれる親切設計な野球漫画。簡単に説明しますと所謂「クセ球」ストレートからホームベース付近で動く球を「ムービングボール」と呼びます。あとはググってみて下さい。

 

第18話「日本一の山」
ある意味、第一部における役者が揃った回とも言えるこの回。

鉄壁の守備を誇る二遊間……私の人生を狂わせた『鉄壁の二遊間』こと、1番ショート倉持洋一と2番セカンド小湊亮介。

『鉄壁の二遊間』には散財させていただきました。これからも機会があればすることでしょう。元々はこの二人については二遊間萌え(コンビ萌え)でありました。作中で正反対的な二人がコンビを組んでいるみたいなことに弱いのですね。そういう意味ではダイヤは私の好きなコンビの宝庫だったりします。大きなエピソードが描かれていなくとも関係性が濃くて深いものだと伝わってくるのもダイヤの凄さと言いますか。

狂犬、じゃなくて強肩強打吠える3番センター伊佐敷純。様々な意見があると思いますが私は『ダイヤのA』の裏主人公は純さんだと考えております。『ダイヤのA』を不朽の名作にたらしめたのは「稲実戦」があったからだとも。
声優さん効果で更に好きになってしまいました。純さんの声がしない試合には一生慣れることが出来ないことでしょう。

そして不動の4番ファーストキャプテン結城哲也。死ぬほどカッコいいです!! 将棋が下手なところにとても共感してしまったり。

超重量級サード5番増子透。増子さんは現実にいたら後輩達にとって良い先輩だと思います。身近な努力の人というのは側にいてくれると心強い。

女子高生達に黄色い歓声を浴びせられている……チームを支える扇の要。6番キャッチャー御幸一也。野球と料理以外は不器用かもしれない男とはとても思えません。

三年生の滝川・クリス・優。
二軍に昇格した沢村が組む相手として登場。
所謂、死んだ目をしている頃のクリス先輩です。この人が後に聖職者のように見えてしまうから『ダイヤのA』という作品は一言では言い尽くせない魅力のある作品とも言えます。純さんが裏主人公とするならクリス先輩は作品における精神とも言える存在のキャラだと私は思います。

 

第19話「俺達の山」~第22話「捕手の役目」
沢村はクリス先輩から『この先お前がエースになることはない』と告げられます。部員達の間でクリス先輩は御幸にレギュラーを取られておかしくなったと噂される捕手でした。方や降谷は関東大会一回戦で投手として華々しいデビューを飾ります。そんな降谷を見て焦燥感に駆られる沢村に対しクリス先輩は『このままいけば3年間アイツの控えになるのは確実だな』と告げました。その言葉に対し、とうとう沢村はクリス先輩に対して感情的な言葉を向けてしまいます。しかし、クリス先輩は『俺のようにはなるなよ 沢村…』とだけ言い残してその場を去っていきました。
礼ちゃんからクリス先輩と組まされた理由を聞かされても納得のいかない沢村。そこに御幸が入ってきてしまいクリス先輩と上手くいっていないことを知られてしまいます。
沢村『俺はアンタに受けてもらいたい!』
初めて御幸と組んだ時の感覚が忘れられない沢村をなんとかなだめようとする御幸。
しかし、沢村は御幸を本気で怒らせる発言をしてしまいます。

国立トレーニングセンターへと向かう車の中、礼ちゃんは呆然とする沢村に対して御幸のクリス先輩への思いや過去を語り始めました。
トレーニングセンターには父親とリハビリトレーニングに励むクリス先輩の姿が──。

自分は「野球」を知った気でいて「野球」のことを知らなかった。

沢村は自分の失言を悔いクリス先輩に土下座で自分に「野球」を教えることを頼み込みます。

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猛省した沢村はあの手この手でクリス先輩と師弟関係を築こうとします。コメディ要素が強いながらもクリス先輩の心が解け始めていくのを感じられる一連の流れにはホッとさせられるものがあったり。

 

クリス先輩は選手としての未来と現在という選択に迷い始めるのでした──。

 

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軽く感想を書こうと思ったのですが無理でした。この第3巻に後への展開のすべてが詰まっていると言っても過言ではなかったりするからです。『ダイヤのA』をお薦めする時、必ず私は「3巻までは読んでほしい!」と頼み込みます。この巻で引き込まれるものがなかったら、それはもう仕方がないと諦めるしかないなとは。

 

我ながら途方もないことを始めてしまったとは思うのですが──とりあえずは、3巻まで記事が書けて良かったです。

 

いらすとや

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『ダイヤのA』第2巻

『名門、青道高校に入学した沢村栄純。初日の寝坊で監督の逆鱗に触れ、最悪のスタートを切った。名誉挽回とばかりに息巻く沢村だが、遠投勝負で結果も出せず「投手は諦めろ!」と宣告されてしまう。実力者揃いの青道野球部では、一軍への道のりは果てしなく遠い!! ひたすらエースを目指す沢村の前に、さらに協力なライバル降谷が登場!!』

単行本第2巻 表4あらすじより

 

細かなことですが……とにかく1巻から背景や野球用具の描写が細かくて美しいのですね。週刊連載でこれだけの質を維持し続けるのは大変なことだと思います。原画展に何度か足を運んだのですが飾られていた生原稿には感動するばかりでした。思い出すたび目頭が熱くなります……!

というわけで、『ダイヤのA』第2巻の感想。

 

第6話「投手失格」~第13話「代打オレ!」収録

 

第7話「待ってろよ!」

唐突に登場したかのように思っていた松方シニアの東条秀明くんですが……名前だけは登場しているんですね。東条だけに。(激ウマギャグ)
『一年生で目立つ子』だった金丸がイキっている貴重なシーンの数々も楽しめます。今でこそ常識人枠の金丸ですがこの頃はスポ根枠における主人公にイヤミを言う同級生キャラなんですね。

金丸『そいつ…まだ入部も認められていない見習い部員ですから 俺達と一緒にしないでもらえます?』『いい加減気付けよ お前はもう終わってんだよ!!』

成績優秀な金丸が言うと破壊力倍増ですね! 
この回、沢村のクラスメイトに倉持の弟クンみたいな子がいるのも見逃せません。

青道野球部「王者の掛け声」
※鉄壁の二遊間が一つのコマに並んだ歴史的瞬間でもあります。

結城『俺たちは誰だ…?』
一軍選手達『王者青道!!』
結城『誰よりも汗を流したのは──』
一軍選手達『青道!!』
結城『誰よりも涙を流したのは──』
一軍選手達『青道!!』
結城『誰よりも野球を愛しているのは──』
一軍選手達『青道!!』
結城『戦う準備はできているか!?』
一軍選手達『おぉお』
結城『わが校の誇りを胸に狙うはただ一つ全国制覇のみ!!』

結城・一軍選手達『いくぞぉ!! おおおおおおお』

文字だけでもアツくなれますね!
結城世代勢揃いのコマだけで血湧き肉躍る私。結城世代の魅力については後々語っていくつもりですが絵だけで頼れる先輩達感が漂ってくるのが凄い! 素晴らしい!!

春乃ちゃん(女子マネージャー)との甘酸っぱいやりとり。
ブコメ路線に変更出来るようにしていた的なことをどこかで見かけたのですが「これはこれで悪くない……」と思ってしまうのは先生の描かれる女の子も魅力的だからなんですね。
ちなみに女子マネジでは貴子先輩推しでした。

 

第8話「同じタイプ!?」

御幸『マグレだろ 次はそううまくはいかんさ…』
倉持『るせっ! マグレでホームランが打てるかよ! イヤミなヤローめ』

これぞ2B(御幸と倉持)というやりとりの一つです。天才と常識人みたいなキャラ立てがされている良シーン。とにかく寺嶋先生はちょっとしたやりとりでキャラの性格や関係性を説明されるのが上手い。バッティングで性格を表現されているのも素晴らしいとしか。まだ何も語られていないキャラなのに何となく性格が伝わってくるのです。どうでもいいのですが『いかんさ…』って……無理じゃないですか。これが高校二年生なんですよ……もう、無理。

一軍の試合を観に行かず一人自主練習に明け暮れる沢村。

そこに沢村・御幸に続く第三の主人公降谷暁の登場!!

降谷『ま…ぶっちゃけ……自分が出ていない試合なんて興味がないし……』

反抗期だったのか何だったのか。今となっては信じられないくらいイキった口調の降谷。何度読んでも「暁……どうしたの」みたいなお母さん気分を味わえる貴重な時期でもあります。

亮さんが御幸に満面の笑みを向けているシーンも地味に貴重。

※その後、作中での絡みは殆どない二人

 

第9話「気まずい時間」
春乃ちゃんの激ウマギャグ『タイヤのエース』片岡監督のサービスシーンなど見所満載の回。どうでもいいのですが、青道高校にやってくるOBや記者ってガラが悪くないですか?この辺も地味にリアルのような、リアルじゃないような。

 

第11話「三年生の意地」
一年生のチームと二・三年生での試合。3P1コマ目に疲労困憊でタオルを被った東条くんが登場(しつこい)

一年達の台詞から東条(松方シニア)の評価の高さが伝わってきます。『東条が抑えられない打線…誰が止められるんだよ』という台詞と後の展開を考慮すると東条は中学と高校の壁を身体で感じ取っていたのだろうなと。そう思うとせつないシーンですよね。

 

第13話「代打オレ!」
ベンチで携帯ゲーム機を遊んでいる「オレっち」が見れるのは第二巻だけ!
この辺読み返して感じるのは全体的に口調が荒いのと本格高校野球漫画として売られている現在から考えられないキャラの行動が結構あるんですよね。漫画的表現が優先されている結果、キャラ立てが成功しているように思えるので、私は初期の読み味もとても好きだったりします。

個人的に春市のデザインは衝撃的でした。目隠れキャラに木製バットを持たせる……曲者感が出ている良設定だと今でも思います!!
糸目の兄と目隠れの弟。
瞳が大きい=可愛いを構成する要素の一つなのですが、瞳を大きく描かなくても「可愛い」を表現出来るのだと小湊兄弟のデザインには感動させられました。SDキャラで並んでいるとさくらんぼみたいで可愛い。亮さんのヒッティングマーチが「キューティ・ハニー」で春市のヒッティングマーチが「さくらんぼ」なのも納得。髪色がピンクというのも最高です!

ここでお気付きだと思うのですが野球漫画なのに本格的に試合展開を描いたのは2巻に入ってからなんですね。しかも、一年生のチームと二・三年生での試合で野球知識が必要最低限のものでも読める仕上がりになっています。キャラの魅力を押し出してなんとなく野球とはこういうスポーツなんだと読者に掴ませる為のお膳立てがとにかく上手いの一言。

 

1巻、2巻と丁寧に読み返してみたのですが『ダイヤのA』は何度読んでも新鮮な面白さが味わえます。第二部を考慮して読むと感慨深いものがあったりも……。
特に東条については顔こそ描かれていなかったとはいえ大きな挫折感のようなものを味わったのかもしれない。そこから、投手復帰までの道のりを考えると第二部に続いて良かったような気持ちになれるんですよ。なかなか、結城世代の卒業が受け入れられない私でありますが。選手達の成長は素直に嬉しいし、新一年生達が積み重ねている努力が報われる時が来るのを心から楽しみにしていたりもします。

 

次回は一年トリオ(沢村・降谷・春市)が表紙の第3巻。中表紙の御幸一也が反則的にカッコいいです。確か、主線を筆で描かれているんですよね。

『ダイヤのA』第1巻

『中学全国大会を目標としていた沢村栄純。最後の大会は自らの暴投で敗退してしまう。仲間のともに高校でリベンジを誓うなか、名門、青道高校野球部からスカウトが来る。見学に訪れた沢村は、いきなりエリート校の洗礼を受けることに! 名キャッチャーの呼び声高い御幸との出会いが沢村の高校野球への情熱を目覚めさせる!!』

単行本第1巻 表4あらすじより

ええと、詳細はwikiを読んで下さい。

 

『人生山あり谷間あり!?』

第1話「運命の一球」

読んでいただければわかると思うのですが、主人公である沢村栄純の運命が二転三転する展開には驚かされるばかりでした。今となっては珍しくない設定になりつつありますが、所謂名門校に主人公を入学させるという展開は斬新なものにすら思えました。弱小野球部に一人の天才が入部するとか、別なスポーツをやっていた主人公がひょんなことから野球部にみたいな展開がスポーツ漫画における王道だったからです。名門校=ライバル校的なイメージもあります。

主人公である沢村の台詞『こーゆー何でもそろったエリート軍団には死んでも負けたくねぇ』この時点で青道高校野球部は沢村にとって『ライバル』揃いの場所であるということが提示されます。

青道高校野球部 副部長の高島礼(通称礼ちゃん)によって語られる「野球留学」への批判と集まった選手達の抱く覚悟への尊敬。
礼ちゃんの言葉にハッとする沢村。
古き良き野球漫画の価値観対新しい野球漫画の価値観という構造を予感させる良いシーンです。

高校通算42本塁打を誇る東 清国さん練習に付き合ってくれている選手に罵倒を浴びせながらご登場。チャームポイントはおなか。
青道高校野球部において沢村の運命の出会いは──東先輩の方が先だったりするんですね。
読み返すたびに思うのですが、東さん世代と結城世代の関係がどうだったのか私気になります。番外編でも良いので結城世代が二年生だった頃を描いてほしいものです。

沢村『ここじゃあ力のある奴が何を言っても許されんのかよ… たった一人じゃ野球はできねぇんだ… 名門と呼ばれるこの学校じゃあ そんな大切なことも忘れてんのかよ!』

口論の末、沢村と東パイセンは野球で対決することに。

そこに現れたのが一年生の御幸一也。
先日行われた人気投票で1位になった大人気キャラ。

御幸『礼ちゃん…そいつの球 俺が受けてもいい?』
先生自ら「『ダイヤのA』は沢村と御幸の出会いの物語」と仰られているだけあって気合の入った作画です。このコマで何人もの女性達の人生を狂わせたのでしょうか。
しかし、このコマは御幸一也の本領ではありません。

 

ここまでが第一話なのですが濃密な内容で息もつかせぬ展開の数々。しかも、主人公がまともに球を投げていないのです。
私が「『ダイヤのA』は野球が知らない人が読んでも面白いと」人にお薦めしまくる理由の一つは、試合展開ではなくキャラクターやドラマで野球を語るところにあります。
尚且つ王道であり、作画レベルも高い。十年以上前の漫画とはとても思えません。
球漫画だからと『ダイヤのA』を読むことを躊躇されている方には、とりあえずは第1話「運命の一球」を読んで下さいと声を大にして言いたいですね。

長くなるので第2話「相棒」からはポイントのみの感想にとどめます。毎話この調子で語っていたら文字数がいくらあっても足りません。本当は「四の五の言わずに読んで!!!!」と叫びたい勢いなのですが、そうなるとブログ文化を全否定するも一緒なのでやめておきます。ただ、どんな漫画感想にも言えることですが「とりあえず読め」に勝るものはないなあ、と思います。

 

第2話「相棒」~第5話「才能で語れ」

『な~~んも考えずお前のすべてをぶつけてこい』

本誌では第二部が開始され御幸一也は三年生になったわけですが。
一年生~二年生の頃の自分が黒歴史になっていないか心配になる言動の数々。体育会系の一年生とは思えない人を食ったような態度。これが御幸一也の魅力の一つでもあり、カッコよさでもあったなあ、と思います。先日行われた人気投票で1位もとるもんです。

 

沢村、投げる!!

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球を受ける御幸一也……カッコいい!!

御幸『ナイスボール!』

御幸一也の魅力に完堕ちです。御幸一也カッコいい。大切なことなので二度言いました。

 

沢村『──この瞬間 俺は新たな世界の扉を開けてしまったんだと思う──』

 

私も新たな世界の扉を開かされてしまいました。

 

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青道高校に進学を決めることによって、仲間が何よりも大切な沢村に仲間を捨てさせる寺嶋先生。

この時、私は気が付くべきでした。

ダイヤのA』は痛みと喪失を伴う物語であることを──。

 

第四話「いい度胸だな」

推しである倉持洋一が登場します。第二話で御幸に堕ちながら速攻で倉持が推しになる私も私ですね。読み返すと何で倉持が好きになったのだろうかと思うような回なのですが、ガンダムで例えるなら(何でもガンダムで例えるのがガノタカイ・シデン的なポジションのキャラであるのがわかったからです。群像劇では必ずと言っていいほどカイ・シデン的な役割を担うキャラを好きになるので……。

 

こんな感じで各巻を振り返っていこうかと思います。

 

 いらすとや